毎シーズン話題となるのがユニクロの新作。なかでも、ユニクロとChristophe Lemaire(クリストフ・ルメール)のコラボライン「Uniqlo U(ユニクロ ユー)」の新作は、発売日当日に店舗によってはサイズ欠けや売り切れも見られるほどの人気を誇っています。ファッションに興味のある人は発売前の予告段階で写真を見ながらの予想レビューをYouTubeやブログで見ている人も多いことでしょう。発売日当日には「実際に全型買ってきました」とその最速を競うファッション系YouTuberと呼ばれる人たちの動きに、感動すら覚えます。
さて、そんな「Uniqlo U」のラインナップでひときわ注目されたのが「セルビッジ レギュラーフィットジーンズ(Men)」です。
・アーティスティックディレクターのクリストフ・ルメールが率いるデザインチームが、世界中のファッションと新素材の情報が集まるパリのR&Dセンターとともに、上質なワードローブを追求するコレクション。
・伝統的な手法で作られたコットン100%、13.5オンスの超本格赤耳セルビッジデニムを使用。
・洗いをかけていないのではき込むほどに体になじみ、色落ちやヒゲなどの経年変化を楽しむことができる。
・脚が長く、きれいに見えるストレートシルエット。
このモデルは、2020年9月発売の2020秋冬コレクションに続き、2021年1月発売の2021春夏コレクションでもラインナップされた定番になりつつあるジーンズのようです。2020秋冬の発売時は税抜 ¥3,990- でしたが、今では税込で ¥3,990- 、お値段そのままで消費税込みの価格に変更されました。
人気の商品で全体的には品薄な傾向にあったと思うのですが、サイズによっては売れ残り、今回、最終的な値下げ価格税込 ¥1,290- で購入することができました。
この「セルビッジ レギュラーフィットジーンズ(Men)」というのは、通常のジーンズと何が違うのか、少し調べてみました。
まず、「セルビッジ」とは、素材を意味する言葉で、デニム生地の種類のひとつのようです。厳密には「セルビッジ」とは、デニム生地の両端にある白い部分のことを指すようですが、一般的には、旧式の力織機(シャトル織機)を使用して織られたデニム生地で作られたジーンズをセルビッジジーンズまたはセルビッジデニムと称しているようです。「伝統的な手法で作られたコットン100%」というのは、こういった意味合いで表記されていると思われます。力織機(シャトル織機)で織られたデニム生地は、生地の両端に白い部分ができ、そこに1本の赤い糸が通っていることから、ユニクロでは「超本格赤耳セルビッジデニム」と表記しているようです。さらに調べてみるとこの「赤耳」という言い方は、リーバイスが始まりだそうです。
セルビッジデニムは、生産性が通常のデニム生地の約6分の1と言われています。そのため、一般的なジーンズメーカーが製品化した場合、その販売価格は最低でも1万円以上はするといわれており、その品質を担保しつつ、通常ラインと同じ価格で販売したことに、驚嘆・感嘆の声が挙がったというわけです。
セルビッジデニム生地は比較的丈夫で長持ちです。故に経年変化——色落ちしていく過程を楽しむ、デニムを育てる、なんて言い方もされています。
次に、「レギュラーフィット」について記しておきます。ほとんどの方はご存知かと思いますが、この「レギュラーフィット」とは、ジーンズのシルエット——太さのことを言います。レギュラーフィットという呼称からも標準的な太さなんだろうなぁと容易に想像できます。では、レギュラーフィットより細い場合や太い場合は、何と言うのでしょうか。ユニクロのラインナップから確認してみます。
シルエットを表す用語として、ユニクロのサイトからは4つ見ることができます。細い順に、スキニーフィット、スリムフィット、レギュラーフィット、ワイドフィットの4つです。この4つのシルエットのサイズ表を見てみます。レギュラーフィットは、今回購入したセルビッジ レギュラーフィットジーンズ、サイズ表記「MEN 30」のサイズ表です。他のモデルも近いサイズをランダムにピックアップしました。モデルによってはサイズに差異があるかもしれません。ご了承ください。表は、上から細い順になっています。
ユニクロ公式サイトより
サイズ表記 | ヌード | 仕上がり | ヒップ | わたり幅 | 股上 | 裾幅 | 股下 | |
スキニー | MEN 30 | 76 | 80 | 93 | 28.5 | 23.5 | 14.5 | 78.5 |
スリム | MEN 30 | 76 | 82 | 95 | 29.5 | 25.5 | 17.5 | 84 |
レギュラー | MEN 30 | 76 | 82 | 99.5 | 31.5 | 26.5 | 19 | 74 |
ワイド | MEN 30 | 76 | 82 | 105 | 34 | 30 | 21.5 | 75 |
スキニーは数字で見ても細いですね。ここ数年のトレンドは、まずユニクロの黒スキニーと言われていましたが、さすがに街に溢れすぎたのか、最近では各人各様に様々な太さのボトムスを楽しんでいるように見受けられます。
ボトムスのシルエットを表す用語でもうひとつ「デーパード」という言葉を耳にすることがあります。一般的なボトムスは通常「ストレート」と呼ばれるシルエットです。極端に言えば上から下までまっすぐということです。それに対して「テーパード」とは、太もも部分はややゆとりがあって、裾に向かって細くなっていくシルエットのことを言います。下記はユニクロのものではありませんが、参考として某メーカーのレギュラーストレートとレギュラーテーパードのサイズ表を載せておきます。
サイズ表記 | ヌード | 仕上がり | ヒップ | わたり幅 | 股上 | 裾幅 | 股下 | |
テーパード | 30インチ | 76 | 86 | 102 | 33 | 27 | 17.5 | 82 |
ストレート | 30インチ | 76 | 87 | 106 | 33.5 | 28 | 20 | 82 |
同一メーカーではないため、単純な比較はできませんが、Uniqlo Uのセルビッジ レギュラーフィットジーンズは、やや細め、少しテーパードなシルエットと言えます。
ところで、ユニクロの公式サイトの商品概要には、まだまだ確認しておきたいことが3つあります。「13.5オンス」「洗いをかけていないので」「色落ちやヒゲ」。オンスは重さの単位「oz」、新品なのにわざわざ「洗いをかけていない」、「色落ち」はジーンズなので何となくわかるけど、「ヒゲ」を楽しむって何だろう——。次回はこの3つについて、いろいろと調べてみることにします。
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